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<究極のカーネーションづくり>
昨今、ITを駆使した農業が盛んに取り上げられていますが、実はそれでは人工的なカーネーションは作れても最高の花は作れません。I T農業と言っても、生育状況や環境変化を可視化できるデータは温度や湿度などの単純なものであって、実際に花を取り巻く環境は、それを遥かに上回る要因からなっているため、多様な変化に合わせて手を加えなければ、花の品質を一手に保つことさえできません。I T農業ではそれで作った花ですら、次も同じようには作れません。良かったり悪かったりとばらつきが生まれます。それは細かな生育環境の変化を補足できないからです。I Tを用いれば90%ぐらいの花は作れますが、何度挑戦しても100%にはなりません。より良い花作りを目指して試行錯誤していく中で、逆にナチュラルに育てる方が、良いカーネーションが生まれることに気付きました。花を人工的に育てるのではなく、花が自然に育っているところに人が優しく手を差し伸べる。I Tで花を数値化して見える化を計ってきた栽培方法から、あえてI Tを使わずに見えない化をして、人の感覚で高度に様々な変化を捉えながら育てていく。そうすることによって、花が素直に素晴らしい状態で咲くようになり、日持ちをするようになり、花に綺麗な色が乗るようになりました。あくまでも花は自然界のものであって、それをI Tでコントールしようというのはおこがましいことだったのかもしれません。昔の農家が大切にしてきた、冬になったら北風が吹くとか、夏になったら日が延びて太陽の角度が変わるとか、そういう自然を知るということを改めて見つめ直し、自分の感覚と知識に重ねていった時に今まで見えなかったものが見えてきました。それは土の硬さや土の色、花の色や花の艶、葉の色や葉の艶、カーネーションが作り出すハウス内の雰囲気などで、これらを目や肌で会話するように感じ取って繊細に手を加えることで素晴らしい花を作ることができたのです。まさしくこれが私たちが追い求めてきた究極のカーネーション作りなのです。
ぜひこの私たちの思いがこもった花をご自宅や大切な方の元で飾っていただきたいと思っています。